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M-1ムエタイ九州 田尻秀行(M-1MC九州代表)インタビュー

2011年5月10日(火)福岡・WSR九州ジム

インタビュー&写真:池田博紀

M-1ムエタイ九州代表の田尻氏が目指すのはアマチュア育成。ムエタイは、本場タイでは少年時代から多くの試合を経験しており、その場数では日本人は太刀打ちが出来ない。しかし、その壁を打破するべくM-1ムエタイ九州では門戸を開放し、格闘技の練習を積んでいる者であれば、誰しもが参加出来る環境を整え、ジュニア部門においては九州選抜戦を行い、東京のベルトへ挑戦出来る目標を作り、プロ部門においてもM-1ムエタイチャレンジマッチを行い、勝者には東京でのM-1ムエタイプロ興行の参戦権を与えている。そして、何よりも競技の本質である公平で平等なリングを徹底しており、九州で初のJMD(ジャパン・マーシャルアーツ・ディレクターズ)認定を受けている大会である。

池田:6月19日開催の第3回M-1ムエタイアマチュア九州大会の注目点は7月に開催されるM-1ジュニア次期挑戦者決定トーナメントの出場枠を賭けた査定試合で、一番の魅力はM-1ムエタイジュニアランキング入りのチャンスが得られることですね
田尻氏:そうですね。あくまで東京への道が切り開かれることですね。
池田:第2回M-1ムエタイアマチュア九州大会にてジュニアの部九州代表決定戦が行われ、萬田道場の小賀龍二選手がトーナメントで勝ち上がり、タイトルマッチまで辿りつけましたね。M-1ムエタイ九州としては、今後もジュニアの選手へタイトルマッチのチャンスを与えたいとお思いでしょうか?
田尻氏:流れ的には九州大会では、ジュニアのエントリーが多くなっており、ジュニアと言ってもすぐに一般の部、もしくはプロとして活躍できる年齢なっていく選手。例で言うならば、小賀選手(萬田道場)の様な将来性のある選手が出てきて欲しいし、実際に将来性のある選手は沢山います。それらの選手に東京への道としてM-1ムエタイの九州大会で戦いの場を提供しています。
池田:小賀選手の次は一般の部で経験を積み、そしてプロとして活躍が期待できる選手ですね。
※M-1ムエタイジュニアタイトルマッチ挑戦の規定は中学生以下まで
田尻氏:小賀選手はプロとして通用するだけの実力が十分に備わっていますね。
池田:しかし、今まではジュニアタイトルなど九州ではなかったですね。ほんの3、4年ほど前からキックボクシングでジュニアの試合が盛んになってきましたが、M-1ムエタイの様なメジャー団体のタイトルマッチなどなかったですね。
M-1ムエタイ九州としてはジュニアタイトルマッチのチャンス、一般の部ではプロチャレンジマッチなど東京へ行くための戦いの場を提供すると言うことですね?
田尻氏:M-1ムエタイは東京ではプロ興行を定期的に年に何回も行っており、アマチュア大会でも40回以上開催を行っています。どうしても日本で言えば、東京の方がレベルは高い。
何故、M-1ムエタイ九州大会を開催しようと思ったのかと言えば、九州のジュニア選手が東京で試合を行う度に感じるのが、特に細かい技術の差をそれを目の当たりにしましたね。これは指導力や選手の技術ではなくて経験の差だと痛感しました。
そして所詮、地方は地方だ。と思われたくはなかったですね。

池田:実際に九州の選手と東京の選手を戦うチャンスを与え、レベルの差を肌で感じさせて、良い経験を積ませ、その後の練習の目的意識が変わりますね。
田尻氏:九州大会を行うと思った原点は、其処なんですね。自分が東京のプロ興行、アマチュア大会の両方を肌で感じてきて、技術の差。気持ちでは九州でも強い選手は多いと思います。ですが、やはり気持ちだけでは試合には勝てません。細かい技術、テクニック面では、東京の選手は優れている。まだまだ九州の選手は、とは感じていますね。
池田:田尻氏としては、今後もM-1ムエタイ九州でアマチュア育成を目的に活動をされるのでしょうか?
田尻氏:どんなスポーツでも、まずはアマチュアが原点だと思っています。アマチュアの土台があってこそプロが成り立つのです。そういった順番をちゃんと形を作っていかないと、プロ興行ばかりをしたところで、選手は育たない。
池田:それでは観る側ばかりになってしまいますね。メジャースポーツでは、観るファンもいますが、実際にアマチュアとして、そのスポーツをやっているファンが多くいますね。
田尻氏:バスケットボール、野球、サッカーなどメジャースポーツと言われる全ては少年の頃から数多くのクラブチームがあり、それらから始まっているじゃないですか?ピラミッド型となり、その頂点がプロと形が作られていますね。
池田:田尻氏としては、目指すはアマチュア育成であり、M-1ムエタイのプロ興行を九州で行うことは、あまりお考えでないのですか?
田尻氏:これからアマチュア大会を積み重ねて選手が育ってきたら、将来的には可能性はあります。
「プロ興行を行う、それでは選手を準備しよう」それでは駄目なんです。
今、M-1ムエタイ九州大会に参戦してくれている選手は10代、20代前後で実力を持っている。それら若い選手が本気でプロで活躍したいと思うなら、M-1ムエタイで戦える場を提供する為に、私は尽力を尽くします。今はM-1ムエタイ九州ではアマチュア大会しか行っていませんが、魅力ある選手がいるなら、東京へ行ける道を提供したいです。

池田:田尻氏はWSR九州ジムを開かれてから、時間をかけてM-1ムエタイの活動を行われていますね。2008年にはWSR九州ジム内にてM-1出場権マッチ&スパーリング大会を開催。2010年8月に第1回九州大会、同年12月に第1回九州地区M-1プロテスト、2011年第2回九州大会からジュニア選抜戦、プロチャレンジマッチなど、地道に大会の趣旨として重みが出てきましたね。
※2008年M-1出場権マッチでは選考者は無し。それらは選考基準の厳しさを物語っている。
M-1ムエタイ九州の公式戦を全て見ていますが、ジャッジ陣の判定でおかしい判定は見たことがありませんね。
田尻氏:レフェリー、ジャッジでは主催者側は一切入っていません。
池田:それはJMD(ジャパン・マーシャルアーツ・ディレクターズ)の認定を受けているだけあって、公平なリングを徹底されているのですね。
ジュニアの試合などで主催者側の思惑が入った判定がされたら、大会の趣旨が歪みますし、それらの判定を受けたジム側は選手を出すことを止めるでしょうね。
※JMD(ジャパン・マーシャルアーツ・ディレクターズ)認定は九州ではM-1ムエタイ九州が初。
田尻氏:公平さを欠くと、それはアマチュア大会としての本質が無くなります。
池田:アマチュア大会をやる上では多くのジム、道場に参加をして貰いたいですね。その為に公平なリングを徹底させるのですね。安全面ではどうでしょうか?
田尻氏:現在M-1ムエタイではジュニアの試合は2分2R制、ヘッドギアも面付きタイプでなく、オープンガードタイプを使用しています。それらを危険だと言われる声もあります。
池田:ジュニアで2分2R戦わせて、ヘッドギアがオープンガードタイプを使うのが危ないと言われるのですか?
田尻氏:それらの意見の声もありますが、私たちが実際に子供に指導を行い、試合に出場させて来た経験から言いますと、痛みを感じない面付きタイプヘッドギアでは攻防というのが、無くなります。
池田:痛みを感じないので、攻めるだけのファイトスタイルになることでしょうか?
田尻氏:2分間をただ攻めるだけの試合となってしまい、そこでは技術を使った攻防が見られませんし、面付きタイプでは表面的な痛みがないのでまともに攻撃を顔に受けてしまい、首へのダメージ、頸椎へのダメージが一番危険です。
安全の為にも選手は受ける痛みで、相手の攻撃を受けないための動きを行う。攻めと守りのテクニックを使うことを意識することですね。
池田:痛みを知ることで自身がダメージを受けないためのテクニックを使い、2分2R制にしているのは1R制だと、ただ選手が勢いに任せた戦いをするのでなく、選手自身に考えさせて戦うことを意識させる為なのですね。
田尻氏:話は変わりますが、第3回九州大会では沖縄からの参加者がいます。そうなったら将来的に九州・沖縄大会となりますね。
池田:沖縄は優秀なファイターが揃っている場所なので、将来的に期待できますね。
M-1ムエタイ九州として現在はアマチュア育成を目指し、そこから本気で東京へ行きたい選手がいるなら、ジュニアランキング査定試合、選抜トーナメント。プロではプロチャンレジマッチなど、地方である九州の選手へチャンスを与え、自身で切り開いて欲しいとお考えなのですね
田尻氏:目指すはアマチュア育成ですね。第3回九州大会では、現在も東北地方太平洋沖地震による被災で大変な方たちがいます。M-1ムエタイ九州としては第3回九州大会で募金活動などを行いますので、会場に来られる方、関係者様のご協力をお願い致します。

M-1ムエタイ九州

2008年12月開催のM-1出場権マッチ&スパーリング大会。ここからM-1ムエタイの九州での大会が始まった。

M-1ムエタイ九州

用具ついて、選手が痛みを覚えることで、攻防を考え、テクニックを使うことを意識させる為にヘッドギアはオープンガードタイプを使用。

M-1ムエタイ九州

2010年12月に第1回九州地区M-1プロテストを開催。これによってプロのリングへ上がれる参加資格を与えることになった。

M-1ムエタイ九州

2011年1月の第2回九州大会で岩下隆樹(朝久道場)が勝利し、新人王戦のエントリー権を獲得。東京への道を切り開いた。

M-1ムエタイ九州代表田尻氏

M-1ムエタイ九州代表田尻氏。WSR九州ジムのオーナーであり、ムエタイという競技を広める為にアマチュア育成を第一の理念に活動を行っている。


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