リアルディール 有松朝(REALDEAL GYM)インタビュー
2011年11月1日(火) 福岡・リアルディールジム福岡・西新
インタビュー&写真:池田博紀
Rookies(アマチュア大会)でAクラスに昇格し、18歳でプロデビューをして21歳でBATTLE EVENT REALDEALのメインイベンターまで上り詰めた有松朝(REALDEAL GYM)だが、それまでの道は険しい道であった。今回はプロデビュー戦から現在のファイトスタイルを確立させた道のりをインタビューした。
 
池田:有松選手がプロとしての転機を変えたと言える試合はBATTLE EVENT REALDEAL 22、BATTLE EVENT REALDEAL 24の沖縄対抗戦ですが、BATTLE EVENT REALDEAL 22での玉城選手(真樹ジムオキナワ)の印象はどうでしたか?
有松:思った以上にパンチが強くて重たい選手でしたね。
池田:玉城選手のパンチは57kg級のパンチでは無かったですね。試合内容は1Rでダウンを2回奪われましたが、以前の有松選手でしたらダウンを取られたダメージに関係なく打ち合いに応じで結果、KO負けがありましたが、玉城選手でのダウンでは冷静な感じで落ち着いている様子でしたが、あの時はどう考えていましたか?
有松:あの時は、玉城選手がハイペースで飛ばしていたので、もう少し我慢すれば相手が強打で打ってこれなくなるだろうと考えてました。
池田:相手がラッシュで攻めてきているので、前半を凌げば後半から盛り返せると考えていたのですね。実際の1R後半から盛り返して、2RでKOと一気に逆転勝利を収め、会場を沸かせることが出来た試合になりました。
有松選手は2008年にプロデビューして2011年でメインイベンターまで上り詰めましたが、デビュー当時は55kg級でしたが、その後は階級が何回も変わっていますね。
有松:そうですね。ウェイトトレーニングをしていて筋肉がついたので減量がきつくなったので、上の階級(60kg級)でやってみようと思ったのですが、結果60kg級は失敗した階級でしたね。
池田:有松選手の戦績13戦7勝5敗1分でBATTLE EVENT REALDEALでは11戦5勝5敗1分ですが、黒星である5敗は全てKO、TKO負けですが、有松選手のKO負けは何度も立ち上がり、ダウンを奪われてのKO負けです。根性があると思いますが、有松選手は試合を諦めるつもりは毛頭なかったのでしょうか?
有松:そうですね。立ち上がる限りは僅かでも勝てる可能性があります。
池田:この頃は既に西新ジムでインストラクターとして指導する立場でしたから、やはり自分の応援に来てくれる会員さんや、ミット持ちで指導しているアマチュア選手の先生の立場でしてしてファイターの姿を見せなくてはいけない意地もあったと思います。
これは失礼な質問ですが、デビューした当時はファイトスタイルで安定感が、あまりなく判定で勝利やドローの試合でもダメージを多く受けている印象がありました。ここ数戦では安定感を感じますが、やはりトレーニングも大きく変わっているのでしょうか?
有松:確かにデビューした当時は、フィジカル面や体幹などが、今ほど強くなかったなと思っていますね。
池田:過去の2009年、2010年の初め頃の試合の写真と2011年の写真では上半身の筋肉のつき具合が一回り違うと思います。特に肩周りの筋肉が目立ちますね。
有松:現在は意識してからウェイトトレーニングを行って筋肉をつけてますね。完璧に(鍛える部位を)分けてからトレーニングを行っています。
池田:2009年7月19日BATTLE EVENT REALDEAL 12では58kg級で試合をしていますが、その後は60kgと階級を上げていますね。
有松:これは最初でも言いましたが、試合間隔が半年近く空いてしまってウェイトトレーニングを行ってから筋肉がついたので階級を60kgに上げました。
池田:その階級を上げた理由の一つはK-1でも60kg級が始まってRISEでも60kg級の階級を作ったのもあるのではないですか?
有松:目標としてはそれもありましたね。だから60kgでやってみようと思いました。
池田:58kg級ではTSUYOSHI選手(野上道場)にK0負け、60kgでもダルビッシュ選手(KING EXCEED)、KINGカズアキ選手(KING EXCEED)にKO負けと3連敗となりましたが、その内2回は3ノックダウン、1回はセコンドからタオル投入などダメージがあっても立ち上がってから根性を見せて試合を諦めないのが印象に残っています。
有松:階級を上げてからは負けが続きましたが、諦めなかったのが今に繋がっているのだと思っています。
池田:それが結果に変わったのが、BATTLE EVENT REALDEAL 19の宮田選手との57.5kg級での試合でないでしょうか?今までは勝った試合ではローキックを主力に判定で勝利するなどローキックが武器でしたが、宮田戦ではパンチ主体の打ち合いで試合を制しましたね。あの試合からパンチに力強さが出てきましたね。ファイトスタイルが変わったと思います。
有松:宮田選手との対戦前は腰が不調で、ローを蹴れない状態だったので、最初からパンチと膝蹴りだけで戦うつもりでしたが、そのファイトスタイルが結果的に自分に合っていたのが分かりました。
池田:練習風景を見ていましたが、必ずコンビネーションでもコンパクトでスイングの早いショートの左フック、左アッパーを入れていますね。実際に試合でも左フックでヒットを奪ってから攻勢の切り口を作っているなど、今では左フックが主力武器になっていますね。
有松:左フックは当てれる武器になっているので、次は左フックで倒せる武器に変えるのが今後の課題ですね。
池田:BATTLE EVENT REALDEAL 22はホープメインでのカードでしたが、メインイベンターに抜擢され、結果盛り上げられる内容でKO勝利を収め、BATTLE EVENT REALDEAL 24でもメインイベンターで9戦9勝無敗のMA日本フェザー級3位の邦博選手(真樹ジムオキナワ)と無敗で上位ランカーとの対戦でしたが、その時に心境はどうでしたか?
有松:邦博選手の試合は自分が一度沖縄で試合をした時にメインイベントで試合をしていて見ていたのですが、強い選手だと印象がありましたね。
池田:邦博選手との対戦では有松選手が開始からガンガン前に出てからプレッシャーをかけていましたが、あれは最初からの作戦だったのでしょうか?
有松:当初の僕の予想では相手も前に出て来るだろうと思っていたのですが、圧力をかけたら、それがハマったので相手も中々、前に出てこれなかったので、自分のペースで試合を進めることが出来ました。
池田:邦博選手は右ローが強くて、更に何回も蹴ってくるので、あれを下がりながら貰ったりしたらダメージが大きかったでしょうね。有松選手は前に出ながら右ローを受けていたので、耐え切れた面もあると思います。
有松:(下がりながらだと)右ローがもっと効いていたと思いますね。
池田:2Rでは右ローを貰った際に、一度足が崩れましたが、あの時はダメージが溜まっていたのでしょうか?
有松:ダメージは感覚に無かったのですが「足の踏ん張りが効かなくなっているな」とは思ってました。
池田:精神面では耐えられていたけど、肉体面で足が効かされた感じでしょうか?1R後半で有松選手が距離を置いた際に一瞬だけ気を抜いてから、邦博選手が右ストレートを浴びせに来ましたが、あれは集中力戦でしたね。
有松:一瞬だけ気を抜いたので右ストレートが伸びてきてダメージは無かったのですが、あの試合は気を抜くことが出来ない試合だったですね。
池田:打ち合いの乱打戦になりましたが、あの試合でも左フック、左ボディブローなどが決め手になっていましたが、3Rで膝蹴りを顔面に貰ってから左目尻付近をカットして出血をした時には焦りなどはあったでしょうか?
有松:あの膝蹴りを貰った際は、切った感触は無かったのですが、出血をしていたのでドクターストップが入ってTKO負けの可能性があったので、焦りは感じてました。
池田:話が変わりますが、2008年プロデビュー当時の55kg級と現在55kg級では当時と現在では普段の体重はどれくらい違うでしょうか?
有松:2008年の頃は普段の体重でも60kgあるかないかでしたね。そこから4、5kgの減量をしていましたが、今では63~64kgは体重があります。
池田:ウェイトトレーニングなどを行って筋肉がついたので、現在の体重では55kgまで絞るのは苦しくは無いでしょうか?
有松:確かに、今の減量は厳しいですが、実際の試合では動けれるので55kgが適正な階級です。
池田:ウェイトトレーニングなども体幹を強くされるなどフィジカルトレーニングをされていますが、デビュー当時と今ではウェイトトレーニングのメニューは変わっているのでしょうか?
有松:当時と今では全然違いますね。体幹を強くするのをメインで、あとはパワートレーニングでバーベルなども数回が限界な重い重量でパワーをメインでつけるトレーニングを行っています。
池田:有松選手が試合した階級はRISEバンダム55kg、フェザー57.5kg、スーパーフェザー60kgと試合をしていますが、目指しているのは55kgのバンダム級でしょうか?
有松:55kgのバンダム級でRISEのベルトを目指します。早いうちにRISEのリングに上がれるチャンスを狙ってます。
池田:リアルディールの道筋としてはRookies(アマチュア大会)で経験を積んでからプロに昇格しBATTLE EVENT REALDEALで勝ち続ければRISEのリングの道が出来て、そこでチャンスを得たら更に道が広がりますね。RISEで実績を作れば他の大きな団体の興業でも呼ばれる選手になれますね。
有松:RISEはあのルールで日本で一番強い団体だと思っているので、RISEで実績を作ってRISEベルトを手に入れたいです。
池田:RISEのリングではボクシング技術が優れた選手が多くいます。練習でもパンチのコンビネーションを重点的に練習されていましたが、それはRISEのリングを戦うことを想定しているのでしょうか?
有松:元々パンチのコンビネーションが得意だったので、今は自分のスタイルとしてパンチを主体にして意識して練習をしています。
池田:今ではショートレンジからのパンチのコンビネーションで相手を圧倒するスタイルなので、デビュー当時のローキック主体とは大きく変わっていますね。
2008年は55kg級で試合をしていた頃と2009年で58kg、2010年で60kgと階級を上げての試合でしたが、やはり55kg級と60kg級では2階級も差がありますが対戦相手との体で当たり負けするところはあったでしょうか?
有松:練習では60kg級の選手と練習しても差は感じなかったのですが、実際の試合で60g級の相手と対戦した時にはフィジカル面で相手より自分が劣っているのが分かりました。
池田:やはり55kg級と60kg級の5kgの差では、フィジカルもありますが骨格もワンサイズ違うと思います。軽量級での5kgはかなり大きな差があります。
有松選手はRookiesからプロに昇格していますが、現在のBATTLE EVENT REALDEAL においてRookiesからプロデビューしている選手がプロでの試合で苦戦を強いられていますが、同じRookiesからプロになられている有松選手から見て、彼らに足りない物は何だと思いますか?私から見ても持っている総合的な戦力は変わらないと思いますが、あと一歩の強引に自分のペースに持って行く、言わば流れを持って行く力が足りてないと思います。
有松:僕から見てもRookiesでアマチュアからプロで試合をしている選手の技術が足りてないとかでなく、強引に自分のパターンに持って行く動きが出来てないと思います。
池田:プロは自分の得意な流れ、相手の不得意な流れに持って行く駆け引きが必要となりますね。または相手とスタイルが全く同じで噛み合うのであれば、互いに得意な流れの展開もあるでしょうが。
有松:実際に先に相手から主導権を奪われてから、流れを自分の悪い方向に持って行かれて後手に回ってしまってから「何も出来なくて負けてしまった」「持ち味を出せずに試合が終わった」になってしまいますね。
池田:そう意味では有松選手の現在の試合では自分のパターンに持って行く展開を作っていますが、練習でもそこを意識されているのでしょうか?
有松:デビュー当時でも何となくイメージはしていましたが、今ほどは深く考えてなかったのが試合の結果に出ていたと思いますね。やはり練習での一つ一つの意識を考えることですね。そこを意識しないとせっかく練習をやっているのに勿体ないと思います。
池田:では今のRookiesに出場している全ての選手にも、練習の意識を変える事、サンドバッグ打ちでも常に考えてから動くことを意識すれば試合で結果が出るのですね。
有松:色んな選手を見ていますが「あれが出来れば良い」「これが出来れば良い」と思いますが、咄嗟にそれが出来ないのは普段から意識していないからですね。
池田:有松選手は選手としてもRookiesからプロになれてBATTLE EVENT REALDEALのリングでは一時は連敗を喫しましたが、その後は連勝してメインイベンターになるなど、苦労して今のファイトスタイルと実績を作ったので、Rookiesからプロを目指しているアマチュア選手から見れば目標になると思います。
有松:僕も最初から意識した動きをしていれば、戦績の5敗でも内容も結果も変わっていたと思いますが、そういった負けた経験も積み重ねたから、今のファイトスタイルや結果に繋がっていると思いますね。
池田:試合の予定は来年でしょうか?年内には12月18日BATTLE EVENT REALDEAL 25がありますが。
有松:年内は予定にないですね。カットした傷口が完治していなので、今は傷口を完治させてから、来年に挑みます。
池田:BATTLE EVENT REALDEALからは60kg級では達晃選手(REALDEAL GYM)がメインイベンターで実績を作り、RISEランキング戦で勝利してチャンスを物にしてから、10月30日RISE 84にてメインイベントで勝利するなど中央へのリングの道を切り開きましたが、次は有松選手がチャンスを与えられる機会があると思います。
有松:BATTLE EVENT REALDEALでやるなら、ぜひRISEバンダム級のランカーと対戦を希望したいです。またはRISEのリングに呼んで貰えるのなら、そこで結果を出したいです。
池田:それでは狙うはRISEバンダム級のベルトですね?
有松:RISEバンダム級のベルトを狙います。
 
有松朝(REALDEAL GYM)1990年生まれ
戦績13戦7勝5敗1分 Rookiesで実績を作り55kg級でプロデビュー、その後は階級を上げて58kg級、60kg級では苦杯を舐めたが、その後は57.5kg級、55kg級に階級を戻し連勝。BATTLE EVENT REALDEALのメインイベントにおける沖縄対抗戦において2連勝で沖縄の強豪を撃破するなど、今後のRISE 55kg級戦線で活躍が期待できる選手である。
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